こんにちは、jusonです。
読んだ本の備忘録と知識の補完を目的とした【本切り抜き】。
今回の一冊はこちら。
本記事はこんなニーズにお答えします。
- 本書の内容を短時間で知りたい
- 本書の重要な知見だけ知りたい
- 本書の購入判断がしたい
それでは行きましょう!
プロ投資家の先の先を読む思考法
著者
藤野 英人
・投資家
・ひふみシリーズ最高投資責任者
・レオス・キャピタルワークス株式会社代表取締役会長兼社長
内容紹介
プロの投資家は先の未来を予測できているかのように利益を積み上げる。
ただ、そこには予知能力や超能力といった非科学的な力は存在しない。
では、プロの投資家は一体なにから「先の先」を予測し成功を手にしているのかを紐解いていく。
切り抜き書評
どんなに学歴が高くても、どれほど素晴らしい家に生まれても、どんなに美しい容姿を持っていたとしても、投資の成功には関係ありません。
結果は「どのような会社に投資したか」だけで決まります。
株式市場は未来にのみ開いていて、差別がない。
だから私は株式市場が好きなのです。
素直に共感。
株式投資は投資家個人の過去にとらわれることもなければ差別も無い。
本人のやる気だけでいつでも未来に対してのみベットできる!
投資に対してこんなポジティブなイメージが日本には不足している。
株式投資というのは、誰も投資をしたくなくなったときに買い、みんながこぞって株を買うときに売ることが長期的に大事なポイントです。
「みんなが買っているから買う、売っているから売る」という人は、株式市場では儲けられないのです。
ぼくも行動指針や考え方を常に逆張りで考えるようにしています。
今この瞬間の考え、行動はイナゴになっていないか?と常に考えます。
10代20代の若者たちとディスカッションすることで、自分を「令和型」にアップデートし続けています。
「未来は過去とは違う」ということを素直に信じる必要があります。
こうして絶えず「今」を知り、自分をアップデートし続けることが、「先の先を読む」ためには不可欠なのだと思っています。
若い世代の考えや流行りを受け入れるのは実際抵抗しがち。
常に今を知る姿勢がないとただ時代に置いていかれるだけ。
今を素直に受け入れるマインドがなければ先を読むことなどできない。
戦時中、捕虜となっても生きながらえ、帰国できた人たちと途中で死んでしまった人たちとでは何が違ったのか?
生きながらえた人たちは「いつかは絶対に帰れる」という強い信念を持ちつつ、短期でものごとがうまくいくとは考えず、「とにかく『今』をいきる」ことだけを考えて必死に頑張っていたという。
この話から学べるのは、長期では楽観的であること、そのうえで「今」に全力を尽くすのが大事だということ。
まさに長期投資のマインド。
投資だけにとどまらず、日常生活でも短期的な成果や利益を望んでも大方うまく行かない。
未来に繋げる今に注力すること、この考えホント大事。
「儲かりそうか、損をしそうか」を見極めるのは、様々な状況に左右されることもあって難しいものです。
一方、「好きか嫌いか」という判断基準はあくまでも主観であり、そこにはその人が持つ価値観や哲学が反映されます。
状況に左右されることなく一貫性があるため、判断がブレにくいのです。
更に言えば、儲かって利益を伸ばす企業というのは、多くのお客様から「好き」を集めている会社なのです。
これは新しい判断基準。
チャートや身近なニュースに惑わされずに、自身の好きという気持ちを信じて投資先を選定するのも一つの投資方法。
その好きが本物なら同じ好きを持っている人は自分以外にも多くいるはず。
そもそも日本では「好き嫌い」は大切にされていません。
それどころか、「好き嫌い」を言うのはわがままだと捉え、「嫌いだけど我慢してやる」ことを称えるひとも少なくはありません。
日本では「好き嫌い」を大切にしないことが生産性の低さに繋がっていると考えています。
自分の勤務先を信頼しているかといった調査で、信頼していると答えた日本人は6割しかいないといった結果だったそうな。
日本は28カ国中ワースト2位!
確かにあるな〜としか言えない。
もっと自分の「好き」を大切にしていかなくてはと改めて考えさせられますね。
このままじゃ日本はもっと不幸な国になる・・・。
なにかを教えてももらったり仕事で便宜をを図ってもらいたかったりする場合、多くの人は自分より年上の人を頼ります。
しかし年を重ねていく中では、意識的に目線を若い世代に向けていかなくてはなりません。
それは、人間には順番というものがあり、年上の人たちはいずれ引退していくからです。
一方、今20代、30代ので「イケてる人」は10年後、20年後には高確率で重要なポジションに就いていることでしょう。
先の先を読むとは正にこういうこと。
身近な人間関係でもイケてる若手を「張っておく」ことがすべきアクションですね。
とはいえ「イケてる」を見抜くのは常にそういった意識で人を見なくてはできない。
文化や習慣といったものは、時間の経過とともに若い人が変えていくものであり、その意味で必ず「若い人が勝つ」のです。
多くの人は「老化したくない」「老害と言われたくない」と思っているでしょう。
では、そもそも「老化」とはなにかと言えば、私は「アップデートしていないこと」こそ老化だと考えています。
おおお、これは核心。
年々時代の流れが早くなりますが乗り遅れないためのインプットは怠ってはいけない。
優秀なチャレンジャーは、「大手が何かを捨てなければ参入できない」領域で小さくビジネスを初めて大きくなっていくパターンがよくあります。
このような会社を見つけて投資することも「先の先を読む」話の一つかもしれませんが、それは難しい予測ではなく、論理的にそうなることがわかるものです。
個々で大事なのは経営者です。
人から探すといった投資選定のアプローチは難しいイメージが・・・。
しかしこの先の説明で、先に出てきた「好き」を大切にする考え方が根底にあることがわかります。
経営者は全人格的に評価しなくてはならないと思っています。
これは恋愛や結婚において、「この人と付き合いたいかどうか」「この人と一緒になりたいと思うかどうか」と考えるときと似ています。
四季報をチェックし、ホームページを見て経営者の情報を確認することで、大方実際の経営者とのギャップはあまりないとも書かれています。
現在においてはファンドマネージャーと個人投資家の情報格差はほとんどないようです。
つまり個人投資家でも本気でリサーチして投資先を選定さえできれば市場で勝つことは可能と言えます。
テクノロジーの世界であれ、投資の世界であれ、「ウィルビーイング」の重要性は今後高まっていくことになるでしょう。
相手の状態が心身ともに良いかどうかを大切にすることが、企業とお客様との関係、企業と従業員との関係などあらゆる場面で大切なのは言うまでもないことです。
そしてウィルビーイングについて深く考え、自分たちが考えるウィルビーイングとは何かを提示できた会社は、高く評価されて大きく成長するでしょう。
ウィルビーイングは力強い成長戦略なのです。
SDGsも一つの成長戦略であり、企業価値基準になりつつあります。
これに近い社会的責務とも言うべきウィルビーイングの考えは健全な企業には必須の考えだと思います。
「人として健全か」といった指標が大きくなることは、社会的にいい方向に向かうと信じたいですね。
日本人が「投資」に対してイメージは見事なまでにポジティブな言葉が出てきません。
「投資」と聞いて、日本人の多くの人が思い浮かべるのは「損をすることの痛み」なのでしょう。
海外ではInvestment【投資】という言葉はとてもポジティブな意味で使われます。
実際、英語の辞書でInvestmentを調べると、
「なにかに多くの時間やエネルギーや熱量を注ぐこと」
「なにかを成功させるために時間や労力を惜しまないこと」
「将来のために行動したり保有したりすること」
といった説明を読むことができます。
2022年4月より高校の授業カリキュラムに投資が加わったが、そもそも教える大人がこの固定概念をアップデートできているのかがボトルネックのような。
今後も投資については個人の学びが必須です。
そこでいつも言っているのが「勝つか負けるか」ではなく、「勝つか学ぶか」だ、ということです。
勝負をして失敗して負けたりしても、そこからは必ずなにか学びが得られます。
勝負をすることは、結果に関わらず成功に一歩近づくことなのです。
これは全人類アップデート必須!
「勝つか負けるか」のプラスマイナスの二択で考えるのと、「勝つか学ぶか」のプラスプラスで物事を考えるのでは圧倒的にポジティブ思考に差が出ます。
人生は挫折上等。
今の苦しい状況が、将来「あれが人生最良の瞬間だった」と思えるときが、きっとやってきます。
『先を読むことは目的ではない。
読むことは手段であり、本当に大切なことは読んだ未来に向けて行動することである。』
やはりそこですね!
最終的には「行動」が伴わなければ何も変わらない。
逆説的に、先読みができるということはそれなりに行動した結果先読みできるということかな。
総評
表紙・デザイン | 3.0 |
読みやすさ | 4.0 |
有益度 | 4.0 |
購入必須度 | 3.0 |
総合 | 3.5 |
全体を通して、投資限定のテクニック的な先読み思考にとどまらず、いかに自分を進化させアップデートしていくか、これが本書の根幹だと思います。
つまり時代の波を感じられるようになれば、結果的に先読みができる。
そのための思考法が本書に!
そう、「勝つか学ぶか」だ!
無知は本当に恐ろしい。
知識がないと、
「損」をしていることすら気づかない。日々、「呼吸レベルでインプット」を。
juson
最後まで読んでいただきありがとうございました!